春先、土手にツクシが顔を出す。あの「つくし」と、夏にもさもさ茂る「スギナ」は、別の草に見えて同じ植物だ。ツクシは胞子をまくための茎(胞子茎)、スギナはふだん光合成をする茎(栄養茎)。役割で姿を変えている。
恐竜より、ずっと古い
スギナの仲間(トクサ類)は、およそ三〜四億年前から地球にいる、たいへんな古株。花も種も持たず、シダ植物として胞子でふえる。今わたしたちが見ているのは、石炭紀の森の生き残りのような姿でもある。
「地獄草」の異名
地下茎は深さ一メートル以上にもおよび、少しでも残るとそこから再生してくる。だから抜いても抜いても出てくる、畑泣かせの強敵。「地獄草」と呼ばれるのも、この しぶとさゆえだ。
食と、お茶と
ツクシは、はかまを取って佃煮や卵とじに。スギナはケイ素(シリカ)を多く含み、乾かしてスギナ茶にも使われる。ただし食べ過ぎは禁物で、ほどほどに楽しむのが昔からの知恵だ。
ツクシを摘んだら、足もとに広がる長い地下の旅を想う。